豆まきを落花生でするのはなぜ?鬼退治できるのか…その由来


「鬼は外、福は内」でおなじみの豆まきですが、この豆って何か知っていますか?
おそらく、多くの家庭では大豆を用意していますよね。
節分の時期が近づくとスーパーなどの店頭に並ぶのももちろん大豆。
大豆といっても生の大豆ではなくて、煎ってある煎り豆が適当なのです。
これは豆まきのあとに食べた時に生のままだと消化しにくくてお腹が痛くなってしまいますし、
災いを追い払うという意味でも節分に使う豆は火を通して清めておくのがよいと言われているからです。
ですが、地域によっては、豆まきに落花生を使っているところがあるんです。
鬼退治に大豆を使うのは、日本古来の習わしだと思っている人も多いと思いますが、日本のほぼ3割の地域では落花生が主流です。
落花生で本当に鬼退治ができるのか、どうして落花生で豆まきをしているのかその由来とはどういうことなのでしょうか。

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豆まきを落花生でする地域と由来

豆まきを大豆でしている地域は、関東以南の地域で、日本のほぼ7割に相当します。
ですから、一般的に節分の豆というというやはり大豆ということになってくるのですが、一方で残りの3割は大豆でないものを使っています。
その中で一番のシェアを占めているのが落花生。
落花生を節分の時に用意する地域としては北海道や東北、北陸地方が主です。
北海道では、なんと9割の家庭が落花生を豆まきに使っています。
鹿児島県が落花生の産地であることから、鹿児島県と宮崎県でも30%程度の家庭では落花生を使っているようですが、落花生を使っている地域に共通しているのが寒い地域であるということ。
ここに落花生で豆まきをするようになった理由があるのです。

落花生を使うようになったのは1950年代の北海道だと言われています。
節分は2月ですから、北海道をはじめとする北の地域は大雪に見舞われているところが多いですよね。
そんな中で、小指の先ほどにもならない大豆を投げると、大豆が雪に埋もれてしまってどこにいったのか分からなってしまうからということで、もっと大きな落花生をまくようになったのです。

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ところが、大豆をまいている人たちにとっては、食べる豆とまく豆は別なので、
まいた豆を食べるのかと疑問を持つと思うのですが、実はそうなのです。
落花生をまく地域ではまいた落花生をその後で回収して食べるんですね。
まいた豆をそのまま破棄してしまうなんて、罰当たりだというもったいない精神から食べているようなのですが、
落花生なら殻が付いているから、中の豆は汚れないということで、なるほど理にかなっているといえば理にかなっている・・・。
まいた後で探して食べるのに、落花生なら雪の中でも目立って回収しすいですからね。

また、大豆が夏のシーズンに出回るのに対して落花生は秋から冬の寒い時期が旬の豆。
あまり作物が取れない時期に出回ります。
落花生は、大豆に比べてカロリーが高いので、特に寒い地域ではエネルギー源としても価値があるということも理由の一つです。
地域によっては節分の時期にスーパーに並んでいるのはこれしかないというところもあるくらい浸透している落花生。
南北に長い日本列島だからこその文化の違い、面白いですね。

ちなみに、まいた後に食べる豆は歳の数だけだべるというのが一般的ですが、
落花生をまく地域では、落花生の中に入っている豆の数の合計ではなくて、殻の数を年齢ぶん食べるのだそうです。
一つの殻に2こ入っているのもありますから、たくさんの豆を食べることになるんですね。

落花生でも鬼は退治できるの?

そもそも、鬼退治に大豆を使うようになったのは、京都の昔話に由来するものというのが一説にあります。
これは、山から人間の暮らす村に鬼が下りてきて、畑を荒らしたり家畜をうばってしまったりと人間を困らせていたために、
神様へのお供え物として神聖な食べ物とされていた大豆を、その鬼の目に投げて退治したということから、
「おにはそと!」と大豆をまくようになったという話なのですが、
だとしたら、落花生だと大きくて鬼の目に入らない!本当に落花生で鬼をやっつけることはできるのでしょうか。

ところで、豆を鬼退治に使う理由はほかにもあり、「まめ」を「(悪)魔の目」と語呂合わせで置き換えて、これを追い払うという意味もあるのですが、
このことからすると豆ならなんでもよさそうです。もちろん落花生もOK
また、鬼を追い払って厄を封じ込めた豆から芽が出てこないようにする、「(悪)魔を射る」ためにも、煎り豆を使う方が縁起が良いともされているのですが、
その点でも落花生も煎ってあるので条件クリア!ということで、大豆で鬼退治するのと同じように落花生でも十分にその役割は果たしてくれると言えそうですね。

まとめ

大豆で豆まきをしている地域の人にとっては落花生で豆まきするなんて、意外と思われるかもしれませんが、その理由は結構納得できるものですよね。
一つの行事をとっても、その地域に根付くやり方や習慣がありますが、
古くから伝わっているそのような伝統はぜひ引き継いでいってもらいたいものです。
今まで大豆でしか豆まきをしたことがない!という方はぜひ、落花生での豆まきをしてみてはいかがでしょうか。

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